Pilot-Kの「前見て加速!」 Livedoor版

自動車運転指導「パイロットアカデミー」の代表が運転技能や免許取得に関するアドバイス・感想等を綴っていきます。 教習生も一般ドライバーも必見!

2014年01月


バックの時にハンドルを調節しながら回すのは至難の業です。
体を捻った運転姿勢ではハンドルが回しにくいのに加え、
車の動きが把握しにくいからです。


では、なぜバックしている時は車の動きが把握しにくいのでしょうか。
これまたドライバーが体を捻っているためであるとか、
リアウインドーからは景色が見づらいため、というのもありますが、
実は、その最も大きな理由は、
「車体の動き方が前進とは違う」というものです。


ハンドルを切った状態でバックした時は、
“車が横向きに移動する量”が、
同じようにハンドルを切って前進した時の半分以下になります。
そのため、動き始めてもすぐには車の向きが変わらないので、
つい、ハンドルを切り過ぎてしまうのです。
そして、それを修正しようと逆に切る時にも同じ症状が出る、
というスパイラルに陥ってしまうことも珍しくありません。


ですから、バックしながらハンドルを回すのは極力避けましょう。
狭路内で曲がりきれなかったときの切り返しも、
ハンドルを“逆に回す”のでなく“まっすぐ”でバックすれば
苦労することはありません。
方向変換や縦列駐車でハンドルを回さざるを得ない場面でも、
ハンドルは“調節”を要さず、
何も考えずに“いっぱい”に回せば良いのです。

少なくとも試験場内のコースにおいてはこれで対応できるはずなので、
パイロットアカデミーでは、こう教えています。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




対向車が渋滞しているときには、
その間から歩行者が渡ってくることがありますので、
あまり加速せずに(必ずしも徐行でなくても良い)
進んでください。
もちろん、実際、横断者が飛び出して来たら、
ブレーキを掛けることになります。


そんな話をすると、
対向車の渋滞中はスピードを落として走り、
車列を通り過ぎるや否や加速を始める人がいますが、
それも危険ですよ。

歩行者が渡るのは“車の間”とは限りません。
こちらから見て“車の向こう側”、
つまり車列の最後尾から横断者が飛び出すこともあります。
むしろ、歩行者の立場からすれば、
車と車の間よりも、後続車が来る前の方が
心理的に渡りやすいものです。


ちょっと言葉遊びっぽくなってしまいますが、
「対向車の渋滞中」だけでなく、
「渋滞の最後尾」まで、
しっかり注意しながら走ってください。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




右折の合図は「30m手前」で出すことになっています。
そして、その地点(30m手前)までには
右に寄っていなければならないので、
“進路変更”のための合図をその「3秒前」に出しているはずです。
ということで、都合、右折する所の60~70m手前で
ウインカーを出し始めることになります。
これは、通常の右折の話です。


では、交差点近くで車線が増えて右折レーンができる所では
どうしたら良いでしょうか。

これが、車線が増えずに単に右側車線が右折レーンになる場合や
できた右折レーンが比較的短い(30m程度まで)場合は、
通常の右折と同じ合図の出し方でOKです。

問題は、右折レーンが長い場合。
交差点によっては300mくらい走らせる所もあります。


そんな場合でも、いずれにしても進路変更ですから、
まずは、車線が増える手前3秒の所で合図を出します。
ここまでは基本どおり。
そして、車線を移って右折レーンをしばらく走る時には、
「ウインカーを一旦消して、30m手前で再び出す」というのが、
一応“法律の条文どおり”の走り方です。

でも、こういう場合は、
ウインカーを消さずに出したまま走るのをお勧めします。
後続車に「ここは右折レーンですよ」と教えてあげる目的もあるからです。
それは、右折レーンに並んでいる途中で信号待ちする時も同じです。
むしろ信号待ちの最後尾こそ右折車であることを示すべきでしょう。


ただ、これは
「どんな場所でも適切な方法」と言いきれるものではありません。
交差点の造りや交通量や速度などによって、
臨機応変に対処しなければならないことは承知しておいてください。
もっとも、そんなことは、すべての所作について言えることですけど。


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例えば、片側3車線の道路で、
発進してすぐに右折しようとする場合には、どうしますか。

左端から一番右の車線まで移らなければなりませんので、
つい、一気に斜めに車線変更したくなるかも知れませんが、
それは危険です。


と言うのも、
まず、安全確認についてですが、
隣の車線はサイドミラーに写っていても、
その一つ向こうの車線は遠くの方しか見えていません。
目視で安全が確認できれば良いのですが、
通常の目視では、ミラーに写る範囲は安全であることを前提に、
ドライバーの真横しか見ていないはずです。

それを、すべて目視で安全確認しようとすると、
長い時間、前から目を離してしまうことになります。
いや、むしろ、
そこまでの確認をせずに車線変更してしまうことが心配です。

また、2つ隣の車線を走行している車からは
こちらのウインカーが見えていないことが多く、
さらに、まさか一気に車線変更してくるとは予想しにくいこともあって、
ヒヤリとさせてしまい、ブレーキを踏ませてしまいます。
そうなると、試験なら「他車妨害」で即中止です。


車線は1つずつ移ってください。
もちろん、その都度、合図と確認が必要です。
その合図と確認が間に合わないようだったら、減速すれば良いだけの話。
ただし、合図(ウインカー)は、
車線変更が終わるごとに一々消さなくても、出したままでOKですよ。


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※2014年01月27日付けの記事は、諸事情により、全面差し替えさせていただきます。(2014年05月12日筆者拝)


突然ですが、
日本語の「か行・さ行・た行・ぱ行」には共通する特徴が2つ有るそうです。

進路変更前の動作「ルームミラー → 指示器 → サイドミラー → 目視」を
その頭文字を取って「ルー・シー・サイ・モク」と覚えている人がいますが、
そこから、この「か・さ・た・ぱ」を連想してしまいました。
車の運転とは全く関係ない話ですけど、ちょっとお付き合いください。


さて、「かさたぱ」の特徴の1つ目は、
「か行・さ行・た行・ぱ行」だけが「濁る音」を持つということ。
日本語の濁音は「が行・ざ行・だ行・ば行」(+その拗音)だけしか無いのです。
「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」は外来語のために作られた表記ですし。

ちなみに、ロボットアニメは、名前に濁音を含むとカッコ良く聞こえるみたいです。
「ダグオン(濁音)」なんて“ふざけた”名前のロボットも有りましたよね。


2つめの特徴は、
促音(「っ」)の直後には、か行・さ行・た行・ぱ行のどれかが来るということ。
思いつく単語で促音の付くものを片っ端から考えてみてください。
「っ」の直後は必ず「かさたぱ」のはずです。

だから、日本人は「ベッド」と言えずに「ベット」と、
「バッジ」が言えずに「バッチ」と呼んだりするのでしょう。

アメリカの自動車メーカー「ダッジ」社も、口に出して読みづらいわけです。
同じつづりの「ドッジボール」を、日本人は「ドッチボール」と言ったりしますものね。


最後に車に関係する話をムリヤリ書いてみましたが、
少し無理すぎましたかね…


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パイロットアカデミーではペーパードライバー教習も行っていますが、
ペーパードライバー教習希望の方には、問い合わせの時点で、
「乗る車は決まっていますか」と尋ねることにしています。
別に、どんな車に乗るのか知りたいわけではありません。
どうであれ、セダン型の教習車を使って教習するのですし。


これを訊くのは、
ご自身がその車を運転している図をイメージしてもらうと、
教習への取り組み姿勢が変わってくるからです。

ペーパードライバー教習を受ける人の多くが
仕事や家族の関係で“乗らざるを得なくなった”人ですが、
そういう人は、教習で、うまくできない場面に出くわすことがあっても、
「何くそ」という根性で乗り越えられますよね。


そこへ行くと、
運転する予定が無いのにペーパードライバー教習を受ける人は、
ちょっとの事でへこたれて続かない人が多いように思います。
(もちろん、そうでない人もいますけど)


「当面は乗らないけれども運転を忘れないように」という動機を否定はしませんが、
やはり、真剣みは違ってきます。
できれば、乗る車が決まってから教習を受けた方が効率が良いと思いますよ。


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交差点に進入する前には、
その先に自車が入れる余地があるかどうかを見てください。
交差点内で停止してしまう可能性があるなら、
手前で待つことになります。

特に過去に運転経験の有る方は、
ここが“踏切”だとイメージしてみてください。
そう意識すれば、自然と真剣に確認するようになるでしょう。


ただ、交差点進入は、踏切通過と次の2点において異なります。

1つは、必ずしも一時停止の義務があるわけでないこと。
信号待ちの先頭車こそ発進前に安全確認することになっているものの、
青信号を前車に続いて進む場合は、
特段の安全確認を義務付けられてはいません。

2つ目は、自車が進めるだけの“余地ができた後”に発進しなくても良いこと。
“余地ができそう”という時点で発進しても、
言わば結果的に、交差点内で停止しなければ許されるのです。

むしろ、これらが異なるために、
踏切内では停止しない人でも交差点内では停止してしまいがちとも言えます。


ここまで認識したうえで、
それでも敢えて、交差点は踏切だと思ってください。
そして、先頭車はもちろんのこと、2台目以降であっても、
油断なく注意しつつ、交差点に進入してください。


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道路左端から発進しようとするとき、
後ろから近づく車が左ウインカーを出して減速していたら、
どうしますか?


このケースで最も多い過ちは、
自車の後ろで停車または左折するものと思って発進してしまう、
というものです。


確かに左ウインカを出しているのですから、
停車または左折するのだろうとは思いますが、
それが自車の後ろだとは限りません。
自車の横を通過してから止まったり左折したりすることだって
大いに考えられます。
そんな時に発進してしまったら、
ぶつかるか、少なくとも直進車妨害をしてしまいますよ。


「だったら、そんな手前のうちに減速するなよ。」
と文句を言う教習生もいそうですが、
あちらのドライバーにしてみれば、
この車が発進しようとしていたのですから、
安全のために速度を落とすのは、極めて自然な行動です。


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障害物を回避する際には、
原則として、1m以上の間隔を空けてください。
やむをえず間隔が空けられない場合は、徐行します。


ところで、特に路上走行中には、
コース内にある障害物(駐車車両を模したものが多い)とは
イメージの異なるものにも遭遇するので、注意しましょう。


例えば、車線減少箇所におけるガードレール。
これも「障害物」ですから、
ガードレールから1m以上離れて合流していくのが基本で、
その間隔を空けられない場合は徐行、ということになります。


さらに例えば、隣の車線(通行帯)で渋滞を作っている車両も「障害物」です。
これも、隣の車線をすり抜けるに際しては、
間隔を空けるか、さもなければ徐行するか、のどちらかになります。
車線(通行帯)が異なるからと言って、配慮なしで通過するのはいただけません。


障害物との間隔が充分に保たれていないと、
厳しい試験官は、「危険行為」として、
その場で試験中止にすることだってありますよ。


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クランク型やS字型の狭路コースを通るときには、
“車両感覚”が必要です。
「方向変換」や「縦列駐車」といった後退種目
(広義には「狭路」課題に含まれる)でも同様です。


では、その“車両感覚”って何でしょうか。
車の“幅”や“長さ”、すなわち“車の大きさ”が
分かっていることでしょうか?
もちろんそれで間違いではないのですが、
それでは少し説明不足です。


狭路課題における“車両感覚”と言った時には、
車の大きさそのものに加えて、
「車体がどう動くか」をイメージできることを指しています。

そのためには、
「4つのタイヤがそれぞれ、どこを、どの向きで転がっているか」
を把握しておかなければなりません。
さらに言えば、タイヤの位置が分かっているなら、
車の大きさだって分かっているはずです。


そんなことを踏まえて、狭路課題では、
“タイヤの位置と向き”も意識して練習してみてください。


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クランク型やS型の狭路の中は、ゆっくりゆっくり走ってください。
どのくらい“ゆっくり”かと言うと、
「人が歩くくらいの速度」(時速4~5kmほど)とされています。
これって、驚くほど“ゆっくり”ですよ。

見通しの悪い交差点を通過する時には徐行しますが、
「徐行」というのは「概ね時速10km程度」ですから、
狭路を通過する際は、それよりもゆっくり走るわけです。
これは、特に運転経験のある方には
“じれったい”くらいに感じるでしょう。


ところで、試験では、
狭路を速く通過する事だけをもって減点はありません。
しかし、ハンドルが雑になったり、ぶつかりそうになって慌てたり、
ということで減点の対象になり、
あるいは、総合的に見て、
「こんな運転で路上を走らせたくない」と試験官に判断させてしまい、
結果、仮免許を与えられない、ということにもなりかねません。
そして、実際にぶつかったり脱輪したりしやすくなることを考えても、
そんなリスクを負ってまでスピードを出して狭路を通過する意味は
まったくありません。


安全な所で速度を出し、危険な所では速度を落とす、
やっぱり、これが、運転の基本なのです。


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今日・明日と大学受験センター試験だそうですね。
大学受験は、
試験そのものは絶対評価で採点されるものの、
最終的に合格できるか不合格になるかについては、
大学の定員と他の受験生との関係による「相対評価」となります。


ところが、運転免許の試験は、
試験の採点も合否も「絶対評価」であるところが特徴です。
つまり、他の受験生には関係なく、
本人に充分な技能が有れば免許が取れます。
ですので、他の受験生の出来不出来を気にする必要はありません。


ライバル意識を持つのも悪くないですが、
同じ目標に向かって努力する仲間として、
他の受験生の試技を心から応援し、
そして、自分の参考にもしましょう。


ただ、たまに、試験場で知り合った“仲間”が
運転技能や受験テクニックについてアドバイスしてくれる
ことがあります。
上述のとおり免許の試験は「絶対評価」なので、
「他の受験生の足を引っ張ろう」というつもりは無いでしょうが、
でも、大概、試験場で話しかけてくる“仲間”は、
試験場の常連(つまり不合格常習者)ですから、
そんな人からの“アドバイス”は話半分に聞いておくのが賢明ですよ。


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右折または左折する場面で、ハンドルを回した後は、
自分が進む所を見て加速する(「前見て加速!」)のでしたね。

ところが、これが所内教習では完璧にできていた人でも、
仮免が取れて実際に路上を走ってみると、
うまくできないことがあります。

それは、
対向車や横断者に気を取られて、
曲がっていく先の道を見失ってしまうからです。
特に右折の際に目立ちます。

しかも、実際の交差点は所内コースとは異なり、
必ずしも直角に曲がるとは限りませんから、
自分が走るべき車線を探してしまうことになります。

ドライバーの目が泳いでしまうと加速もできませんから、
結果、車がふらついてしまいます。


これを防ぐには、
ハンドルを回し始める“前”に、
自分の進むべき道を見ておくと良いでしょう。
「そこへ向けてハンドルを切り込んでいく」
という感じです。
そうすれば、「前見て加速」がしっかりでき、
車の動きも安定するはずです。


というよりも、
自分が進むべき道の道路状況も分からないのに
右左折を始めるのって、危険じゃないですか?


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左折の時に縁石に載り上げる原因としては、
「うっかり内輪差を失念していた」というのが多いですが、
それ以外に、直接的・技能的な原因としては、
「ハンドルを切るタイミングが早すぎた」わけです。


そう聞くと、
おそらく「車の速度が遅すぎたんだ」と思うのでしょう、
次の試行ではあまり減速せずに曲がってみる人もいます。
が、それは間違い。
ハンドルを切るタイミングが早過ぎるのは、
むしろ、車が速すぎたことによるケースがほとんどなのです。

矛盾しているように思えるかも知れませんが、

ちょっと考えてみてください。

車がゆっくり走っていれば、
ハンドルを切るタイミングは計りやすくなります。
逆に、減速が不充分だと、ドライバーは慌ててしまい、
「ひと呼吸置いてからハンドル」という“ため”が取れなくなるのです。
そういうところにも心理的な要因は影響します。

「ハンドルを回す所の5m手前で減速完了」という基本ができていれば、
おそらく、内輪差で載ることも少なくなるはずです。


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一番左側に二輪車用の通行帯がある道路では、
左折の手前で左側に寄せようとした時に、
その中まで踏み込んで行って良いのか迷ってしまうかも知れません。
(東京・鮫洲での路上試験コースにもそんな道があります。)


これについては(例外もあるものの)
基本は、二輪レーンに踏み込んで左側に寄せるのが正解です。

と言うのも、
そもそも左折前に左に寄せる最大の目的は、
自車の左側に二輪車が入って来ないようにすることでした。
ですから、二輪車が走行できるスペースを空けてしまっては意味が無いのです。
基本に立ち戻って、
“左寄せ”について知識を整理し直しておきましょう。


もちろん、これは車線変更を禁じられていない所での話です。
黄色のラインで通行帯が区分されている場合は、
そのラインを超えずに、
普通車が走れる通行帯の中で最も左に寄せるしかありません。


また、気を付けないといけないのは、
「二輪レーン」だと思っていたら、実は「歩行者専用路側帯」であった
というケースもあります。
そういった場合もラインを踏み越えてはいけないので、注意しましょう。


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左折しようとする際には、
その30m手前から左折のための合図を出します。
しかし、左折する前には左端に寄せておきますので、
その進路変更の3秒前から合図を出さなければなりません。

つまり、通常は、左折の「30m+3秒」手前で、
左ウインカーを出すことになります。
ここで「通常は」という書き方をしたのは、
例えば、初めから左に寄って走っているような場合は、
進路変更がありませんから、
左折のための合図を30m手前から出せば足りるのです。

「進路変更の合図」と「左折の合図」との違いを理解しておきましょう。


ところで、まれに、この左ウインカーについて、
「進路変更前から左折が終わるまで出しっぱなしにしなければならない」
と覚えている人がいますが、そんなことは無いですよ。
上に書いたように、「進路変更の合図」と「左折の合図」とは別ですから、
何かしらの理由で左に寄る必要があれば、まず進路変更しておき、
左折するまでに距離があるなら、ウインカーは一旦消すことになります。

ですので、
「点けっぱなしでなければダメ」とか、
「一旦消さなければダメ」と覚えるのでなく、
臨機応変な対応をするのが正解です。
そのためにも、基本はしっかり押さえておきましょう。


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進路変更の前には、安全の確認をしてください。
その際には、ミラーだけでなく、
必ず、直接そちらを見て確認します。


パイロットアカデミーではありませんが、
指導員によっては、
「サイドミラーは無いものと思って、目視だけでしっかり確認してください」
と教える人もいるようです。


しかし、それもどうなんでしょう。
サイドミラーが見えない状況なら仕方ありませんが、
見えているなら、付いている装備は活用すべきと小生は考えます。
(もちろん、ミラーだけに頼って良いと言っているわけではありません。)


と言うのも、目視で確認している間、
ドライバーは、前方から視線を外しているわけで、
言ってみれば“わき見”をしているのです。
ミラーを見るのだって、わき見には違いありませんが、
首を前に向けたままチラッとミラーを見るのなら、
前方の様子は視界には入っていますし、
何か不測の事態が起きたら確認の動作を中断するのも容易です。

しかし、目視のために首を横に向けるのでは、
前方で何が起きているか分からず、
また、再び前を見るまでの時間も長く掛かります。


目視による安全確認は不可欠ですが、
安全確認に時間を掛けてしまって事故を起こすようでは、本末転倒です。
ドライバーがわき見をする時間をできるだけ短くするためにも、
ルームミラーやサイドミラーは上手に活用しましょう。


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もう数年前の話になりますが、パイロットアカデミーに
「運転の経験が有ります」という方から相談がありました。
それを聞いて、実は小生は「あれ?」と思ったのです。
少し不自然な言い方でしたので。

「過去には運転免許を持っていました」とか、
「昔は運転していました」と言う方は多いのですが、
「運転“経験”が有ります」とは普通は言いません。
疑問に思いながら、よくよく聞いてみると、
案の定、無免許運転(公然かつ常習的に)をしていたようです。

それを聞いて、即答しました。
「無免許での運転経験など、無いに等しいです。」


ちなみにその方は、
パイロットアカデミーでの教習を受けてから
府中試験場で一発試験を受け、
結果として、
仮免・本免とも、すべての試験に1回で合格できました。
教習料(受験料・取得時講習費を除く)は
10万円かからずに修了でき、
ご本人はかなり満足していたようです。

もっとも、
練習なしで受験する“運転経験者”も多いなか、
教習を受けるつもりで電話を入れてきた時点で、
合格のゴールは見えていましたけどね。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




車のホーン(警笛、警音器)は、
危険が迫っている時か、標識で指示されている時にしか使いません。
歩行者をどかせたり、前の車の発進や加速を促したり、
知り合いへの挨拶や道を譲ってくれたお礼などのために、
ホーンを鳴らしてはいけないことになっています。


実際、“音”というものは指向性が無いので、
誰に向かって発せられたのか、どういう意図があったのか、
その真意は鳴らしたドライバー本人でないと分かりません。
歩行者に道を譲るつもりでホーンを鳴らしたら、
減速していた前の車が自分が鳴らされたと思い込んで加速してしまい、
歩行者を撥ねてしまった、という笑えない話もあります。


そういったことを踏まえて改めて考えてみると、
特に試験中に、本当にホーンが必要な場面は
「無い」と言い切ってしまって間違いではないでしょう。
技能試験を受験される皆さんは、
「警音器は無いもの」と思って運転してしまって良いです。

で、本当に危険な場面に遭遇したら、
ホーンを鳴らすことを考える前に、とにかくブレーキを踏んでください。

もっとも、「危険を感じたら即ブレーキ!」は、
警音器がどうこう言う以前に、基本中の基本ですけどね。


ところで、40代以上の人に多いのですが、
ホーンのことを「クラクション」と呼ぶ人がいます。小生もその一人ですが。
「クラクション」という言葉は、
「ホチキス」や「マジック」と同様、商品名なので、教本には登場しません。
教習でもできるだけ用いないように心がけていますが、
つい口に出てしまうことがあります。
そんなときは、「『ホーン』のことだな」と理解して、
笑って許してやってください。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




どのご家庭にもある「洗面器」を使って、
アクセルの練習が出来ます。

…と言うと、
「ハンドルの練習じゃなくて?」
と聞き返されることが多いですが、
「アクセルの練習」で、間違いありません。


四の五の言うより、やってみましょうか。
では、洗面器を湯船に(プール等でも可)
裏返しに浮かせて、足で沈めてみてください。


分かりますか?
アクセルペダルを踏むときに意識してほしい、
「踏み応えを確かめつつ」というのは、
こういうことなのです。

また、「アクセルは優しく強く」というのも
この練習方法で体感できると思います。


ちなみに、
洗面器をハンドルに見立てて回してみるのは、
全く無駄とまでは言いませんが、
「子どもの自動車ごっこ」の域を出ないですよ。
(言い過ぎました。すみません。)


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




※2014年01月08日付けの記事は、諸事情により、全面差し替えさせていただきます。(2014年05月12日筆者拝)


教習生や、あるいは友人から、
なぜ教習の仕事をしているかを尋ねられることがよくあります。

「なぜ」って、そりゃ、食ってくためですけど。
でも、世の中には多種多様な職業が有る中で、
この仕事ならではのやりがいも有るわけで…


そもそも小生は、学校の先生になりたかったのです。
大学も教育学部に入りました。
しかし、「人に教える」のは、
「学校教諭」という職業に限られたことではないことに気づきました。
いや、これは、単位が足りなくて教員免許が取れなかった
(不足単位は後年、聴講と通信で修得しました)
ことの言い訳では決してありません!(笑)


それで、メーカーで人事の仕事を数年やってから、
脱サラして、この商売を始めたわけです。
どんな立場にあっても、「教える」職業ということで、
自分の中では一貫しているつもりです。


この仕事の楽しさは、
「例えば車庫入れができない人が、『私のアドバイスで』できるようになる」
のを見ることでしょう。
もちろん、“免許取得”という大きな目標に対するお手伝いができるのも
大きな喜びです。
それは、商売の損得勘定抜きで、
「この仕事をやっていて良かった」と思う瞬間でもあります。


また、学校の先生は「勉強したくない生徒に勉強を教える」のに対して、
この仕事は「運転できるようになりたい教習生に運転を教える」のですから、
本当に楽しいです。
(学校の先生をされている方、ごめんなさい。)


この商売は基本的にマンツーマン対応なのでどうしても売上額には限界が有り、
大きく儲けることはできませんが、
それでも体が動く限り、この仕事を続けたいと思っています。
まさに、「前見て加速!」で。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




ハンドルは、外側から掌を当てて回すのが正しい持ち方ですが、
内側に掌を当てて回すのを、「内掛け」と呼びます。

内掛け自体は、たまたま1回やってしまったとしても、
その1回だけで減点はされません。
しかし、ハンドルが不安定になるので
「ふらつき」(1回でも減点)の要因にはなりえます。


また、ハンドルの内側にはスポークが有るため、
握る場所を選んでしまい、
すなわち、アクション遅れにつながる可能性もあります。


内掛けでハンドルを回すクセのある人に言わせれば、
「その方が力が入れやすい」のだそうですが、そんなこともありません。
「外から手を当てて、上を回す」(=教科書通り)のがスムーズなはずです。
そもそも、
普通車のハンドルをそんなに力を入れて回すべき場面は考えられませんし、
ほぼすべての乗用車にパワーステアリングが装備されている現状を見ても、
「力が入れやすい」は正しく持たない理由にはなりえません。


それどころか、
内掛けしたままハンドルは戻せませんから復原の邪魔になりますし、
うかつにも内掛けしたまま急にハンドルが戻ると、
手首を痛めることすらあります。


そんな身体的にも試験テクニック的にも危険な思いをしてまで、
メリットの無い「内掛け」に拘る意味はありません。
悪いクセは直しましょう。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




運転中、危険を感じたら、
反射的にブレーキを踏むのが鉄則です。


「後方の安全を確認してから」?

いや、その必要はありません。
「確認していたらぶつかりました」なんて、言い訳にもなりませんし、
車間を空けるのは先行車ではなく後続車の責任だからです。
第一、後続車が来たらブレーキを掛けないつもりだったのでしょうか。

「地震!火を消せ!」ではないですが、
「危険!即ブレーキ!」と覚えてもらって結構です。
基本的には。


ただし、これには例外があります。
それは「凍結路面」での走行中です。

積雪路面なら、まだタイヤのグリップが効きますが、
凍結しているとタイヤは簡単にロックし、すぐに制御不能に陥ります。
なので、凍結路面では、エンジンブレーキを活用して、
不用意なフットブレーキを踏まないようにしましょう。


そもそも、積雪路であれ凍結路であれ、
急ブレーキが必要になるほどのスピードを出さなければ良い話です。

ここ数日は、関東の平野部でも朝方は氷点下。
気を引き締めて走りましょう。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




冬は、暗い色の服を着る人が多くなりますが、
車を運転する立場からは、
暗い色は視認性が低く、危ない思いをすることもあります。

歩行者からヘッドライトを点灯している車はよく見えるのですが、
車から歩行者は、歩行者が想像する以上に見にくいものです。
しかも、歩行者が対向車のヘッドライトに照らされて“逆光”になると、
本当に見えなくなってしまいます。


なので、夜道を歩く際には、
できるだけ明るい色の服を着てください。

本当は「黄色」が昼でも夜でも目立つ色なのでベストなのですが、
黄色にこだわると服装のコーディネートが限定されてしまいますので、
「同系色の明るめの色」を用いるぐらいで、随分違うはずです。
それが、タイトルに書いた、
「紺より水色を、えんじ色より桃色を。」
という話です。


特に年輩者は“地味”なものを好む傾向がありますが、
少しだけ(ホンの少しだけで良いです)
意識して、派手めのものを選んでみてはいかがでしょうか。
お互いの安全のために。


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以前に、インドから来日した女性の教習をしたことがあります。
彼女は最初の教習の際に、
インドの民族衣裳(サリーって言いましたっけ?)を
身にまとって来たので、驚きました。
インド人としてのプライドがそうさせたのか、
それとも、彼女なりの“正装”のつもりだったか、
どうであれ、袖や裾がまとわりついて運転しにくそうです。

かかとの有る靴を履いていたのでその日の教習はやりましたが、
「次回からは体の動かしやすい服装で来るように」と言いました。
彼女は一瞬悲しそうな顔をしましたが、
次の教習時には「Tシャツにジーンズ」という格好で来たので、
こちらの言うことが理解してもらえたものと、嬉しかった覚えがあります。


さて、改めて教本を読んだら、
運転にふさわしくない服装として「和服」が挙げられていました。

お正月は、少なくなったとは言え、和服を着る人もいますが、
和服も袖や裾がまとわりついて運転しにくいものです。
加えて、下駄履きも運転しにくいはずです。

車の運転をするのなら、できれば“洋服”を着て、
また、必ず“靴”を履いてください。


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孟子の言う「先義後利(義を先んじて、利を後にす)」は、元々は、
「国を治めるにあたっては、利益よりも、仁義や道義が大切である」
という教えだそうですね。
でも、この言葉は、政治だけでなく、
企業経営や、さらには人としての生き方にも通じるものがあり、
現に、これを社訓や家訓にしている例も多く見られます。

もちろんパイロットアカデミーでも。
と言うより、弊社の場合は、
単に儲けが追いついて来ないだけなのですが…(苦笑)


ところで、この言葉は、
くず餅の老舗、船橋屋の現(八代目)当主も、
とある経営者の集まりで引き合いに出していましたが、
その会合では、もう一つ、
「黴(カビ)ではなく苔(コケ)の生える経営」
という言葉も使っていました。

つまり、悪い意味でなく、良い意味で「古い」、
そういう経営を目指しているとの趣旨で、
それにも感銘を受けました。


パイロットアカデミーも、間もなく起業13周年を迎えます。
苔の生えるまで頑張っていきたいと思います。
「利」より「義」を優先に考えて。
(本音としては利益を上げたいのもやまやまですが…)

本年も宜しくお願いいたします。


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あけましておめでとうございます。

新年ですので、座右銘として、
「酒に酔うな。スピードに酔うな。自分に酔うな。」
という言葉を贈っておきましょう。


「酒」は今さら言うまでもないですが、
「スピード」に酔う人も少なくありませんね。
確かに自動車に乗るのはそもそも高速移動が目的ですから、
安全な所では、スピードは出します。出すべきです。
しかし、その裏返しで、危険な場面では減速しなければなりません。
その感覚が鈍ってくるのが「スピードに酔う」という状態です。
そうならないように、程よい緊張感を保って運転してください。


また、長年運転していると、
自分の運転テクニックが上達したように思えてきます。
事実、いろいろな事象に対して戸惑わずに対処できるようになったのでしょうが、
(それはそれで大事なことなのですけど)
それに過信してはいけません。
他の車やドライバーを見下したような言動が出てきたら危険信号です。
常に謙虚な気持ちを持って運転してください。


これら3つに共通するキーワードは「自制心」でしょうか。
自分を見失うことなく、安全運転を心がけたいものです。


では、今年もよろしくお願いいたします。


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