Pilot-Kの「前見て加速!」 Livedoor版

自動車運転指導「パイロットアカデミー」の代表が運転技能や免許取得に関するアドバイス・感想等を綴っていきます。 教習生も一般ドライバーも必見!

2019年05月


「飲酒運転」は法律用語ではなく、
法律上は「酒気帯び運転(広義)」として括られ、
その中で、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転(狭義)」とに区分されています。


「酒酔い」というのは、
「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」を言い、
実は、呼気中アルコール濃度とは関係ありません。
ですから、
養命酒であれ、ウイスキーボンボンであれ、
あるいは、奈良漬やある種の栄養ドリンクであれ、
それらの摂取により正常な運転ができなくなっていれば、
仮に検査値は低かったとしても、
「酒酔い運転」とみなされる可能性はあります。


一方、「酒気帯び(狭義)」というのは、
「呼気1L中に0.15mg以上のアルコールを含む状態」を言います。
「正常な運転ができないおそれがある」とまでは言えなくても、
また、ドライバーや他人(警察官を含む)が「酔っている」と認識しなくても、
数値に表れたら「酒気帯び運転(狭義)」ということなります。

でも、変な話ですが、
養命酒を、あのお猪口みたいなカップに1杯飲んだだけでは
おそらく数値には表れないでしょう。

とは言っても、やっぱり、お酒はお酒。
たとえ1滴でも(このあたりは言葉のアヤですけど)
「飲んだら乗るな」と意識しなければならないでしょうね。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




「方向変換」(俗に「車庫入れ」と呼ばれる課題)では、
車庫の奥に向かってバックします。
それは説明するまでもないでしょうが、
では、「縦列駐車」でも奥に向かってバックする、
というのはお解りでしょうか。

方向変換で言う「奥」は、
「車庫の奥の方」ということで“面”(あるいは“線”)的なイメージなのに対して、
縦列駐車で言う「奥」は、
「奥の角」(言い換えれば「長方形の頂点」)であって、“点”的なイメージになります。

縦列駐車は、
「縁石の左後ろのコーナー」または「後ろ側の一番左のポール」を目標に定めて
そこに向かってバックすると、車が入って行くのが実感できるでしょう。
逆に、この「奥に向かう」という動作が無いと、
駐車スペースに車体が入っていきません。
(当然と言えば当然なのですが)
縦列駐車が浅すぎる症状は、大概これが理由です。

実際の路上では、
「後ろに駐車している車の(バンパーの)左前角」を目指して
斜めにバックする、ということになります。
免許取得後の実践でも役立つ目標ですので、
覚えておくと便利ですよ。


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車線変更の前には、
向かおうとする側(右へ移るなら右側)の安全を確認しますが、
その安全確認中は、アクセルを緩めて、軽く減速しておきましょう。


理屈で言えば、
「他の車がいたら、減速してその車を先に行かせる」という順番が
正しい対処のようにも思えますが、
ここでは、
他の車がいようがいまいが減速することをお勧めしておきます。
いや、むしろ、
「他車の有無を確認するためにこそ減速する」と言うべきでしょうか。


複数の通行帯がある道路で、
もしも隣の車線を走っている車がミラーの死角に入ったままずっと並走していたら、
直接目視してもその車を見落としてしまう可能性があります。

そんな場面では、
自分がアクセルを緩めてホンの少し減速するだけで、
並走していた車は前に進んでドライバーの視界に入って来てくれます。
そうなれば、もう、ドライバーは“その次の車”に気を付ければ良いわけです。

また、減速するとともにウインカーを出すことによって、
「車線変更しようとしている」との意思表示にもなります。
これに“次の車”のドライバーが気付いてくれれば、
余程の意地悪でない限り、大概は道を譲ってくれますよ。
(それでも再確認してから車線変更すべきなのは言うまでもありませんが…)


そして、いよいよレーンチェンジするに際しては、
「これから進むべき車線の遠くを見て、アクセルを踏み込んでいく」(前見て加速!)
のでしたね。


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初めて路上を走る人は、
「センターライン死守!」
とでも思っているかのように運転していることが多いですね。


確かに、自分の車線を守って走ることは運転の基本です。
また、初めのうちは、どうしても対向車が気になって、
ラインをはみ出さないように意識しすぎてしまうのも理解できないではないです。


しかし、
例えば、歩道の無い道の左側を歩行者が歩いている時などは、
センターラインをはみ出して走って良いのですよ。
というより、むしろ、
「はみ出して走るべき」(対向車を妨害しないことを前提に)です。
自分の車線に拘泥するがゆえ歩行者のすぐ横を通り過ぎるなんて、
守るべきものの優先順位を間違えています。


ついでに言うと、
仮にセンターラインがオレンジ色だったとしても、
やることは同じですよ。
オレンジラインの意味は、
「“追い越し”のためのはみ出し禁止」でしたね。
歩行者が相手なら「追い越し」ではありませんから、
遠慮なく、はみ出して通行して構いません。
ただし、この場合、
相手が自転車だと「追い越し」になってしまうことには
気を付けてください。


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二輪車の後ろを追走する時、
充分な車間を空けていますか?

まさか、嫌がらせのつもりはないでしょうが、
遠近感のマジックで小さな二輪車は遠くに見えてしまうためか、
後続車が車間を詰めて走っているのを、よく見掛けます。
万が一、そういう状態でそのバイクに追突したら、
ライダーの生命に関わる事故になりますよ。
そもそも、二輪車は転倒しやすい乗り物だということも
忘れてはいけません。

ですから、二輪車の後ろでは、
車間を気持ち広めに取って走るのが望ましいです。
とは言っても、
「円滑な交通」というのも考えあわせると、
せめて普通車と同じ程度の車間は空けておきたいところです。


それから、
信号待ちなどで二輪車に続いて停車する場合も、
やはり、普通車と同じくらいの車間を空けて停まりましょう。

停車中に車間を空けておくことの意味は、
玉突き衝突を回避するため、
前の車が立ち往生した時に避けて通れるようにしておくため、
の2つの理由がありました。
そのどちらも、二輪車であっても通じる話です。


二輪車も、
一人前(?)の車として、1台分の扱いをしてあげてください。


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仮免許は取得してから6ヶ月間だけ有効です。
その間に、路上練習して、本免技能試験(※)に合格しなければなりません。
※指定教習所(公認校)の場合は「卒業検定」となります。

これは、
試験場(免許センター)や指定教習所で仮免許を取得した場合に限らず、
免許をうっかり失効した人が1年以内に手続きをすると仮免許になりますが、
そのような経緯で交付された仮免許でも同じです。


ところで、
「もし本免に合格できないうちに仮免の期限が到来してしまったら。」
と心配する向きも有りますが、何も心配する必要は有りません。
期限が切れたら仮免許を取り直せば良いだけの話です。

そんなふうに言うと、
「もう2度と仮免取れる自信が無い。」と答える人も多いのですが、
だとしたら、
仮免を取れない程度の技能で路上練習しているわけで、
そのほうが問題でしょう。
本来、仮免で習得した事をベースに路上を走っているはずですし。

でもまあ、仮免を取り直すのに苦労するのも事実なので、
極力、期限内に合格しちゃいましょう。


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障害物を避けるために、
センターラインを越えなければならないこともあります。
では、その、はみ出している途中に対向車が近づいて来たら、
どう対処しますか。


そのまま走り続けて元の車線に戻れるくらいの距離なら、
もちろん、「続行」でOKです。

が、それが間に合いそうにない場合は?


一番ダメなのは、
「対向車が近づく前に急いで(加速して)元の車線に戻る」という行為。
咄嗟の事態に焦ってついやってしまいそうですが、
まず、左側(ミラーの死角や障害物の陰)の安全を確認していないので、
そこに自転車や歩行者がいたら轢いてしまう危険性が有ります。
さらに、そうしてもなお対向車を避けきれなかったら、
加速した所で正面衝突することになりますよ。
正面衝突は仮に30km/h同士だったとしても60km/hの衝撃になるわけで、
非常に危険です。


実は、こんな場面でこそ、「ブレーキ」なのです。
「元の車線に一刻も早く戻ろう」なんて思う必要は有りません。
まず、ブレーキを踏み、左側の安全を確認した後に、
少し加速しつつ元の車線に戻って行きます。

この際、対向車は「待たせておく」ぐらいに思っていれば良いです。
ホーンを鳴らされるかも知れませんが、気にしないでください。
仮に対向車が速度を落とさず万一衝突するようなことが有ったとしても、
こちらが減速しておけば、“車が壊れる程度”の事故で済みます。

車対車の事故も起こさないに越したことはありませんが、
自転車や歩行者が相手の事故ではお金で償いきれないこともありえますので、
それよりは数倍ましと言えるでしょう。


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クランクコース(屈折型狭路)でコーナーを曲がる時に
内輪差で縁石に載りやすい人は、
「ここだ!」と思った所じゃなくて、
ひと呼吸、間を置いてからハンドルを回し始めてみてください。


内輪差で載るのは、そのほとんどが、
ドライバーが見ているボンネットを、
見えているままに通らせようとしているのが原因です。

ボンネットの前に見えているのは、
実は「4mくらい先の路面」でしたよね。
なので、それに釣られてハンドルを切ってしまうと、
タイミングとしては、やはり早すぎることになります。

「気持ち行き過ぎてからハンドルを切る」ぐらいで
ちょうど良いはずです。


そうやってみて、
もし曲がりきれずに車体の前側がぶつかりそうになったら、
現にその光景をドライバーは見ているわけですから、
ぶつかる前に車を停めて、切り返しをして通過してください。
そうなったとしても、
内輪差で縁石に載り上げるより、はるかにマシなのですから。


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学科試験でもよく問われる知識ですが、
「道路の曲がり角付近」では徐行することになっています。

それは、カーブの向こう側が見えないためです。
向こう側の状況しだいで
すぐに停止しなければならない事態も起こりうるので、
徐行しつつ安全を確認しなければなりません。


それから、
「坂の頂上付近」でも徐行することになっています。
これもやっぱり、向こう側が見えていないからです。


ところで、突然、野球の話になりますが、
昔、「ドロップ」と呼ばれる変化球がありました。
これは、“落ちる球”のことで、
今は「縦に変化するカーブ」と呼んでいますね。

「カーブ」という用語が、
横向きだけでなく縦向きの意味も含んでいるのが、
運転における「上り坂から下り坂への変化」に通じるものがあって、
ちょっとおもしろく感じました。


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「一時停止は、タイヤを“3秒以上”止めていなければいけない」と
言われることがあります。
それも間違いとは言い切れず、覚えやすければそれで良いのですけれど、
採点基準で「3秒以上」と定められているわけではありませんよ。


一時停止は、
「停止+安全確認」でしたね。
タイヤをピタリ止めて
「右見て、左見て、もう一度右を見て」(※)でした。

(※)『カエルの冒険』劇中歌「ワン・ツー・スリー・ゴー」の歌詞の一部です。
 50以下の人には「ケロヨン」って通じないよね…

そして、その安全確認が終わるまで車を発進させてはいけませんから、
結果として、タイヤは3秒以上止まっていることになるでしょう。

「3秒以上」にはそういう意味があるのです。
秒数の問題ではなく、
しっかり確認する必要がある、ということを理解してください。


ドライバーが「3秒以上」を意識することで確認がきちんと出来るのなら
そういう覚え方を否定するつもりもありませんが、
どちらかと言えば、
「3秒」という数字よりも、
「正しい一時停止の方法」を覚えてほしいものです。


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側方の安全確認は、
「ルームミラー」→「サイドミラー」→「ミラーの死角」
の3点を見てください。
中でも、「ミラー死角の目視」が
技能試験における最大の減点ポイントであることは、
皆さんも、ご承知のことでしょう。


ところが、こと運転経験のある方には、
「わざわざ目視しなくても、ミラーだけで安全確認は可能」
と思い込んでいるふしがあるように思えます。
もう10年ほど前の話になりますが、
パイロットアカデミーの教習生(免許失効)が
「ミラーを覗き込むように前傾姿勢を取れば死角は無くなる」と宣ったので、
仰天したことがありました。

もちろん、そんなことはありません。
実際、ミラーの死角部分に小生が立ってみて、
「ほら。 運転姿勢を変えても、ここは見えないでしょ」と言って、
ようやく理解してもらいました。
こういう勘違いをしている人は結構多いのかも知れませんね。


やっぱり基本通りに、
ミラーの死角は目視するしか無いことを理解してください。


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教習生から、
「路上教習にあたり自動車保険を掛けなければいけませんか」と
質問されたことがありますが、
パイロットアカデミーでは、
全年齢適用の対人無制限・対物無制限の保険を掛けており、
教習生は、保険の心配をする必要はありませんよ。
(お蔭さまで、その保険を使ったことは一度もありません)


そもそも、
交通事故に限らず、相手に損害を与えたら、
加害者が過失責任に応じてその損害を賠償しなければなりません。
これは、保険を掛けていようがいなかろうが、関係ありません。
それが交通事故では、
一時に大金を支払わなければならなくなる可能性があるので、
それに備えて“保険”を掛けておくというわけです。
自分で賠償できるならば(特に個人ではなくて会社ならば)、
任意保険には入らなくても構いません。

ただ、自動車損害賠償責任保険(略称「自賠責」)は、
被害者に最低限の保障が出るように、強制的に加入させられます。
そのため、自賠責は「強制保険」とも呼ばれています。


でも、“普通の人”は、億単位の賠償は簡単にはできませんから、
強制保険だけでなく、任意保険にも加入しておくのが、
運転者の義務であり常識であると小生は思いますけどね。


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走行中の車間距離は、教科書的には、
「速度(km/h)-15メートル」が目安と言われます。
つまり、
「時速30kmなら15m、時速40kmなら25mの車間」ということです。

しかし、この算式を用いると、
時速15km以下だったら車間はゼロ以下になってしまいます。
挙句に、
「高速道路では車速(km)と同じ(m)」なんて言われると、
取って付けたような話ですよね。

また、運転に慣れないうちは、
その「何メートル」を走りながら把握するのが
難しかったりもします。


そういうことから、
車間は、「2秒間」と覚えるのをお勧めします。
前の車が道路上の目印(電柱とか郵便ポストとか)を通過してから
2秒後に自分が通過していれば、だいたいOKで良いでしょう。


そもそも、車間距離を空けて走ることの意味は、
前の車が急ブレーキを掛けた際に、
自分がブレーキを踏み始めるまでに走ってしまう(空走)分の
余裕を持たせておくことですから、
距離(メートル)よりも時間(秒)で把握しておくのが、
理屈の上ではむしろ正しいと言えます。

2秒間に走る距離は、
時速30キロなら16.667m、時速40キロなら22.222mです。
まあ、似たような数字になります。
どうせ“目安”なんですし、それで良いでしょう。


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「自分がこれから走るべき道を見る」のは運転の基本です。
このブログでも何度となく触れてきたことですが、
今回は、少し複雑な、応用編を考えてみます。


例えば、
左折した先に上り坂があったら、
ドライバーがどこを見れば良いのか迷いそうですよね。
でも、やはり、左折後の自分の車線を見れば良いのです。
ついでに言うと、
坂を登り終えた後の自分の車線も、見落とさないようにしましょう。

別の例を挙げると、
左折した直後にまた左折するような場合、
左に寄って曲がった後、左に寄せたまま進むわけですが、
最初の左折の時に、左折後に自分の車の描く軌跡をイメージしてください。
そして、自分の進む方を見てアクセルを軽く踏んで(「前見て加速!」)
ハンドルを戻していけば、思い通りに車を進めることができるでしょう。


この目線の動きに迷いが有ると、車が“あさって”を向いてしまいます。
人生訓(このブログお得意ですね)ではないですが、
自分が走るべき所を見失わないように、しっかり見据えて進んでください。


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一発試験(試験場受験)で不合格になる人の大半は、
左折で減点されているものと推測されます。
そして、その左折での減点は、
“ハンドルを回し始める前”に付けられているのがほとんどです。


左折するには、
まず、左折の30m手前までに道路の左端に寄せます。
寄せる前には合図と確認が必要ですし、
寄せる際にふらついたりノロノロ走ったりしてはいけませんし、
きっちり左まで寄っていなければなりません。
また、
「寄せの合図」を消した場合は
「左折の合図」を改めて出さなければなりませんし、
曲がり始める前までに徐行を完成させていなければなりませんし、
さらに、ハンドルを切る直前には「巻き込み確認」も必要です。

仮にこれらの項目すべてで減点されていったら、
合格ラインの「減点30点まで」なんか軽くオーバーしてしまいます。
左折のハンドルを切る前に試験が終わってしまう、というわけです。


特に過去に免許をお持ちだった方は、
「左折はハンドルを左に回すだけ」と思い込みがちですが、
(もちろんハンドルの回し方や戻し方の練習も必要ですが)
それ以前に、それ以上に、大事なポイントがあることを
忘れないでおいてください。


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確認してすぐに動作を起こせなかった場合は、
状況が変わってしまうことがあります。


例えば、路端から発進しようとして、
右ウインカーを出して右側の安全を確認して「さぁ発進」という時に、
目の前に歩行者が飛び出したとします。
当然、すぐにブレーキを掛けて、発進を中断しますよね。
そして、歩行者がいなくなったら改めて発進することになりますが、
自車の右側を自転車が通っているかも知れません。

別シーンの例を挙げてみます。
前方に障害物が見えたので、対向車線にはみ出して回避しようと思いました。
ミラーおよび目視で右側の安全を確認して「さぁはみ出そう」とした時に、
それまで見えなかった対向車が突然現れたら、
(実践の路上走行では例外も多くなりそうですが)
はみ出さずに元の車線のままで対向車の通過を待つのが原則です。
そして、その対向車をやり過ごしてから改めてはみ出すのですが、
後続のバイクがしびれを切らして先に行こうとしているかも知れません。

さらに、もう一つ。
上り勾配のある踏切で。
踏切では警報機が鳴っていなくても一時停止します。
そして、左右の安全を確認して「さぁ横断しよう」とした時に、
坂道発進に失敗してエンストしてしまうことがあるかも知れません。
そんな場合は落ち着いてエンジンを掛け直し、改めて発進してください。
でも、その間に電車が近づいていることも考えられます。

以上3シーンのように、
確認してすぐに動作を起こせなかった場合は、
状況が変わってしまうかも知れないので再度確認が必要になります。


発進するための安全確認も、
進路変更前の安全確認も、
踏切等の一時停止場所における安全確認も、
「“消費期限”は3秒間」と覚えてください。

3秒以内に動作を起こせなければ、その「確認」はご破算。
改めて確認しなおさなければ、
「確認モレ」となり、1回10点の減点を食らいます。
面倒に思わず、再確認してから動作を起こす習慣を付けましょう。


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カーブにしても、右左折にしても、
その曲がり方に合わせてハンドルを回してください。

「外周のカーブではハンドルを半分だけ回す」
というような教え方は、
パイロットアカデミーでは、あまり(?)使っていませんが、
そういう覚え方は、“邪道”ですから、
早いうちに卒業してください。
やはり、カーブや交差点をしっかり見て、
それに適した量のハンドルを取らなければなりません。


そして、ハンドルを切る際には、
“気持ち多め”に回してみてください。

ハンドルが足りないと、
曲がっている途中で切り足さなければならなくなり、
それが、ふらつきや戻し遅れにつながりかねません。
逆に、切る量が多すぎたのなら、
戻し始めのタイミングを少し早めに取るようにすれば良いだけのこと。
“切り足りない”よりは、“切り過ぎ”の方が救われるのです。


そんなことも、試行錯誤を繰り返して身に付けていけば良いでしょう。
失敗を恐れずに、いろいろ試してみてください。


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たまに、教習生から、
「教習内容を録音しても良いですか」と尋ねられることがあります。
もっとも、
無断で、教習中の会話を録音している教習生は、
たくさんいるのかも知れませんが。


他の教習所様でどう扱っていらっしゃるかは存じませんが、
パイロットアカデミーにおいては、
教習内容を録音されるのは、一向に全く構いません。
ただ、パイロットアカデミーの教習では、
指導員から難しい説明をすることは少なくて、
終始「前見て加速!」ばかりを言っている時もあるくらいですよ。
録音したものを後で聞いて拍子抜けする可能性も大いにあるので、
その点は、予め承知しておいてください。


とは言っても、
ご自宅でイメージトレーニングするのは復習方法として有効ですので、
その手助けのために録音した内容を利用するのは、悪くありません。
さすがにネット等で公開されるのは勘弁してもらいたいですが、
教習生自身が復習に使う限りは、喜んで協力しますよ。


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左足は、
MT(マニュアル)車にはクラッチがあるので使いますが、
AT(オートマ)車では、基本的に使いません。
左足の先に“足踏み式のサイドブレーキ”を装備している車もありますが、
運転中にそれを操作することは、通常はありません。


しかし、AT車では左足を使わないからと言って、
左足をぶらぶらさせておかないでくださいね。

さすがに教習中や試験中には見かけませんが、一般ドライバーの中には、
運転中にシートの上で“片足あぐら”をかいている人もいるようです。
それはさすがに極端な例としても、
左足を踏ん張っていないと、右足に力を入れにくくなって、
必要な分量のアクセルやブレーキが踏めなかったり、
咄嗟の時にペダルの踏み替えに手間取ったりしてしまいますよ。

なので、走行中の左足は、
フットレストが付いている車ならフットレストを、
フットレストの無い車なら床を、
しっかり踏みしめていてください。


そして、このことは、AT車ばかりでなく、MT車にも言えます。
クラッチを操作する必要が無い時は、
左足はクラッチペダルの上には置かず、床に置いておいてください。
その方が体が安定して、右足のペダル操作がしやすくなるはずですから。


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当ブログのタイトル「前見て加速!」は、
もちろん、安全が確認できたら、の話。
危険を感じたなら、逆に「即、減速!」ということになります。


例えば、路上走行中に、
先行車の制動灯(「ブレーキランプ」・「ストップランプ」とも呼ぶ)が点灯したら、
こちらも、迷わずブレーキを踏んでください。
前の車がブレーキを掛けた理由まで瞬時に判断するのは難しいですが、
とにかく何か減速または停止すべき事情が有ったはずですから、
後続車であるこの車も、
同じ事態に遭遇するものと思わなければなりません。


こういった時に、「ハンドルでよける」のは禁物です。
前の車は、子どもが飛び出したのでブレーキを掛けたのかも知れないのですよ。
そんな車を追い越そうとしたら、大事故につながりかねません。

また、いきなりハンドルを取ってしまっては、
自車と並走していた二輪車と接触する危険性をも生じます。
進路変更するなら、
動作を始める前に合図(ウインカー)を出し、安全を確認しなければなりません。
その時間を作るためにも、速度を落としておくのには意味があります。

日ごろバイクや自転車に乗っている人は、
(足を着くのを極度に嫌うため)
ブレーキを踏むのをためらう傾向がありますが、
ハンドルでヒョイっとよけることには
もっと危険が伴うことを認識してください。


「危険を感じたら減速!」は、
「安全が確認できたら加速!」とセットで覚えるべき、
“基本のキ”なのです。


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初めて車を運転する人の大体半分くらいが
「アクセルが弱すぎる」と注意されますね。
そして、次の時は強く踏んで、
今度は「強すぎ」と言われてしまうこともありがちです。

逆に、
「アクセルが強すぎる」と注意される人も
2割くらいいらっしゃいますね。
そして、そういう人は、
次の時には、アクセルが弱くなってしまう、という…

まったく初めて車を運転しようという人は、
アクセルの踏み加減に戸惑いますよね。


アクセルは、弱すぎても強すぎてもダメなんです。
力強く踏むには違いないのですが、
でも、優しく踏んであげなければいけません。
「踏み応えを確かめながら」&「じわーっと」というのがコツです。

そして、
「踏む」というより「(足で)押す」という意識で操作してみてください。

ドライバーの意識を少し変えてみるだけで、
良い塩梅のアクセルが使えるようになるはずですよ。


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立夏を迎え、急に暑くなってきました。

そのせいか、
今日は、路上を走る二輪ライダーが、
上半身タンクトップや半袖で乗っているのを多く見かけました。

確かに、良い天気だし、風を感じられるし、
長袖なんか暑くてかなわんので着ていられない
という気持ちも理解はできます。


でも、バイクは、転倒しやすい乗り物です。
そして、転倒したら、余程の強運でない限り、ケガをするでしょう。
すなわち、バイクはケガしやすい乗り物と言えます。
(得意の三段論法!)

転倒した時に、衣類1枚あるのと無いのとでは
人体へのダメージは格段に違いますよ。

また、こちらの先入観は否めませんが、
身だしなみが整っていないライダーに限って
車の間をすり抜けたり、危険な運転をしているようにも見えます。
本人がケガをするのは勝手ですが、
こちら(四輪車)にぶつかってケガでもされた日には、
こちらにも過失割合が付くので、勘弁してください。


バイク(原付を含む)には、
“長袖・長ズボン”でまたがってほしいものです。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




自動車の運転免許を取るには、
まず「仮免許」を取って、「路上練習」して、その後に「本免許」を取得、
という流れは、多くの方がご存じだと思います。
そして、本来は、
仮免・本免それぞれに、
「適性検査(視力等)」と「学科試験」と「技能試験」が有って、
これらすべてをクリアして初めて免許となります。
 (「免許取得時講習」については話が複雑になるので、ここでは説明を割愛します。)


「あれ?」と思われた方、
そう。 本免にも「技能試験」があるのが本来の制度なのです。

ただし、公安委員会から指定された教習所(いわゆる「公認教習所」)で
カリキュラムに沿った学科教習・技能教習を受けて卒業すれば、
「技能試験」は免除されることになっています。
今では、この例外規定の方が一般化し、
「免許を取るには教習所に行く」のが当然のように思われているフシがあります。


一方で、運転免許試験場(免許センター)で直接すべての試験を受けるのは、
俗に「一発免許」とも呼ばれ、
無免許で乗り回していた輩のような“腕自慢”が
ロクに練習もせずに免許が取れるような印象すら与えていますね。

でも!
ここで声を大にして言いたい!

試験場での受験は、練習しないで合格できるほど甘くないです。

でもでも!
さらに言いたい!

きちんと運転できていればそれほど厳しい試験でもありません。
専門家の指導の下に適切な練習をして臨めば、
おそらく時間も費用もあまり掛けずに免許が取得できるはずです。
(もちろん、ご本人の技量によるところが大きいのは否めませんが)


免許を「早く!」「安く!」取りたいという人には、
やはり、試験場で直接受験するのがお勧めです。

とは言え、一発免許は、
公認教習所へ通うより精神的な負担は大きい(=苦労する)
のは間違いないので、その点は承知しておくべきでしょう。


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夜間にはヘッドライト(前照灯)を点灯するのは当然として、
ハイビーム(上向き)が原則だということはご存じでしょうか。
街中では、ロービーム(下向き)で走るのがほとんどだと思いますが、
それは、
他者(他車)の妨げにならないように減光措置を講じたもので、
言ってみれば“例外”なのです。


ところで、坂道で対向車と行き違う場合は、
ロービームでも相手を眩惑させてしまうことがありますから、
スモールランプ(車幅灯)だけにすることがあります。
また、その延長で、
踏切で列車の通過を待っている間は、
多くの場合、そこが上り坂になっているので、
スモールランプにしておくべきでしょう。


では、普通の交差点での信号待ちでは、
ヘッドライトを消してスモールランプにするべきなのでしょうか。


法律上は、
運転している(≒エンジンが掛かっている)間は前照灯を点灯しておくべき、
なのは承知していますが、
上述の坂道や踏切の例もあるように、“臨機応変”で良いんじゃないでしょうか。


なお、ネット内の議論で、
「ライトを点け忘れるから消さないのが正解」と主張する人がいますが、
それを言い出したら、
「サイドブレーキを外し忘れるから(必要な場面でも)サイドブレーキを掛けない」
という話にもなりかねませんので、
それは、消さないことを推奨する理由にならないと思います。


ちなみに、小生は、信号待ちの際は、
原則としてロービームで点灯したままにしています。
ただ、前の車や歩行者を眩ませるようだったら、
消灯してスモールランプのみにします。
まさに、“臨機応変”ですね。
そのやり方を他人に押し付けるつもりもありませんが。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




10連休中でも特に今日は、
高速道路の渋滞が予想されているようです。


ところで、パイロットアカデミーでは、
ペーパードライバー教習のカリキュラムの中に、
高速道路の走行練習を組み入れています。
もちろん必須ではないので、希望されない方に無理強いはしませんが、
教習効果を説明して、お勧めするようにしています。


高速道路で練習すべき課題と言うと、
・高速道路の乗り降りのコツとか、
・スピード感が鈍るのを実体験すること、
・走行前にルートを確認しておく習慣を付けること、
などが挙げられますが、
それ以上に、目に見えて教習効果が得られる課題があります。


それは・・・

意外に思われるかも知れませんが、
「車線変更の練習」です。


「車線変更」は、皆さん苦労される課題の一つですが、
一般道では、信号があったり、歩行者が飛び出したりして、
なかなか練習しづらい課題でもあります。
その点、高速道路では、
車線変更だけを繰り返し練習することが可能なのです。
対向車の心配もありませんから、
ミラーを使って彼我の距離を測ったり、
減速と加速のタイミングを試してみたりも、
容易にできます。

そして、高速道路でこれを練習した後で一般道を走ってみると、
格段に走り方が変わるのに気付くはずです。


そんなわけで、
ペーパードライバー教習の“仕上げ”として、
最後に高速教習を考えておられる人も多いですが、
高速教習の後に、
さらに一般道での路上教習を入れるのが望ましいのですよ。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




世の中は、“新年”の雰囲気ですね。
こんな時に通常の記事を書くのも何なので、
今日は、当ブログのタイトル「前見て加速!」について、
解説しておくことにしたいと思います。

これまでにも何度か書いている話ですが、
最近になってここに来訪された読者もいらっしゃるでしょうから、
ご常連の愛読者諸姉諸兄におかれては「またかよ」と思わずに、
どうかお付き合い願います。


さて、この「前見て加速!」は、
自動車運転のコツを端的に示している言葉です。

まず、発進に際しては、
周囲の安全が確認できたら、“横”を向いたままでなく、
これから走る車線(=“前”)を見て、アクセルを踏んでいきます。

また、カーブでは、
カーブの手前で減速し、ラインを目でなぞりながらハンドルを回します。
そして、カーブ後半では、出口(=“前”)を見て、加速していきます。

右左折の場面でも、
ハンドルを回し終えた後は、やっぱり、
これから走る車線を見据えて、アクセルを踏み、ハンドルを戻していきます。

それから、車線変更(障害物回避を含む)では、
安全確認ができたら、
自分が走りたい車線の遠くを見て、加速しつつ車線変更します。
元の車線に戻るときも、遠くを見て、加速しつつ車線変更します。

このように、いろんな場面で、
ドライバーが「前見て加速!」を意識することで、
スムーズな、そしてメリハリのある運転になります。


さらには、
「前」というのは「未来」をも示唆していて、
目標に向かって邁進する姿勢がイメージできませんか。

そんな意味も込めて、「前見て加速!」は、
日ごろ教習時に小生が好んで使っている言葉であり、
それをブログタイトルに流用したという次第。


車の運転も、人の生き方も、
見据えるべきは「後ろ」でも「下」でもありません。
「前」に向かって進みましょう。

「令和」の始まりにあたり、
初心に戻る意を兼ねて、改めて解説させていただきました。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/



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