Pilot-Kの「前見て加速!」 Livedoor版

自動車運転指導「パイロットアカデミー」の代表が運転技能や免許取得に関するアドバイス・感想等を綴っていきます。 教習生も一般ドライバーも必見!

2019年07月


技能試験の採点表には、
「優先判断不良」という項目があり、
路上試験で20点、場内試験で10点を減点されることになっています。
具体的には、
「他の車両等の進路の前方に出、もしくは出ようとしたため、
進行妨害に至らない程度で他の車両等に
速度を減じさせ、停止させ、または方向を変えさせるなどの迷惑を‥」
というケースに適用する、と書かれています。


しかし、小生は、
「進行妨害」で“試験中止”になった話はよく聞きますが、
「優先判断不良」で“減点された”という例を、
ついぞ聞いたことがありません。

実際の試験で、
優先車に対して停止させたり進路を変えさせたりしたら、
紛うことなく「進行妨害」ですし、
優先車がブレーキを掛けて減速したなら、
それも「進行妨害」になってしまいます。
まあ、アクセルを緩めて減速する程度でしたら、
「進行妨害に至らない程度」なのかも知れませんが、
それだと、そもそも「速度を減じさせ」に該当するのか疑問です。

あと考えられるのは、
例えば、見通しの悪い交差点で、
徐行して細心の注意を払いつつ交差点に進入したが、
結果として優先車の進路を妨害することになってしまった、
というケースでしょうか。
「進行妨害」(危険行為なので一発で試験中止)とするには気の毒だが、
事実、優先車を妨害したのだから減点しないわけにはいかない、
というときに適用するのかも知れません。

多分に推量の混じる書き方で申し訳ありませんが、
いずれにしても、受験生の皆さんは、
「優先車を妨害したら一発で試験中止」と思っておくべきでしょう。


文責: パイロットアカデミー株式会社 http://www.pilotacademy.co.jp/




一時停止の標識が有る交差点で、
停止線の手前で停まっても、左右の状況が見えない所があります。
でも、それは、
停止線で停まらないことを正当化する理由にはなりません。

そういう交差点でも、
一旦は停止線に合わせて完全に停止し、
タイヤがピタリ動かない状態で左右を確認してください。

然る後、状況が見える所まで徐行で前進させて行き、
必要があればそこで再び停まり、左右の安全を確認します。
これを、
「二段階停止」(または「多段階停止」)と呼ぶことがあります。


なお、こういう場面では、
特に“右側通行の自転車”に注意しましょう。

見通しの悪い交差点に進入する際に、
ドライバーは、右からの車ばかりを気にしがちで、
左から来る自転車に気づきにくいものです。
自転車側も、自身が停まるつもりが無いため、
お互いに“突然”出現するので、肝を冷やします。

塀や障害物の蔭には「歩行者や自転車がいるものだ」と思って、
慎重に左右の安全を確認しつつ交差点に進入しましょう。


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MT(マニュアル)車の教習では、
「坂道発進」で苦労する人がいます。いや、「います」というより「多い」です。
意外に、本番の試験では、
坂道発進を失敗して減点されたり失格になったりした人は実は少ないのですけど、
教習で苦労する人が多いのは確かです。


さて、坂道発進は、
「半クラッチを作ってサイドブレーキを外す」だけなのですから、
問題があるとすれば、
「半クラッチ」か「サイドブレーキ」のどちらかが原因です。

「サイドブレーキなんか、ただ下ろすだけなのに何を失敗するの?」
と言ってしまえるのは、運転が出来る人。
サイドブレーキを外すタイミングがつかめない人は、結構います。
それは、「エンストしないように」と意識しすぎているのか、
クラッチ操作の方に気を取られているのか、
いずれにしても、
クラッチがつながらないうちにサイドブレーキを解除するものだから、
車が逆行してしまう(坂を下ってしまう)のです。


そういう人は、
エンストするぐらいのつもりで結構ですから、
まずは、きちんと半クラッチを作ってください。
心配しなくても、今の車はエンストしにくく造られています。
サイドブレーキを引きずったまま走り出したら、
それからおもむろにサイドブレーキを下ろせばOK。

そういう意味で「サイドブレーキなんか」に
あまり力を入れないのが、スムーズに発進するコツなのです。


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東京地方はまだ梅雨も明けていないのに、
暑い日が続いていますね。
「猛暑で、もう、しょうがない」なんて
“寒い駄洒落”が聞こえてきても、一向に涼しくなりません(笑)


さて、今どきの車はあまり故障しませんが、
こんな日には、
オーバーヒートする車も皆無とは言えないでしょう。
特に“炎天下の渋滞”では、水温計の動きに常に気を配って、
もし「H」を指してしまったら、
日蔭に車を停めて、エンジンを休ませてあげてください。


その際、注意してほしいことが2点あります。


まず、停まってもすぐにはエンジンを止めないこと。
ボンネットを開けてみてファンが回っているなら、
しばらくアイドリングしておきましょう。


そして、冷却水の確認は、必ずエンジンを冷ましてから行うこと。
エンジンが熱いうちにキャップを開けると、
熱水が噴き出して手や顔に掛かり、普通の人はヤケドします。
もっとも、それ以前に、
キャップが熱くなっていて触れないと思いますが。

また、冷却水が少なくなっていた場合でも、
水を入れるのは、さらにエンジンが冷えてからにしてください。
ちょうど、熱したガラスコップに冷たい水を注ぐのと同じ理屈で、
エンジン本体が割れて、車がお釈迦になります。

なお、冷却系に真水を入れると錆びやすくなるとの説もありますが、
近くに整備工場やカーショップが無い緊急事態においては
水を補給するのも止むを得ないでしょう。


暑い日には、人間さま同様、車にも気を遣ってあげてください。


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ハンドルを回すときには、
バーの外側から押さえるように掌を当てるのが正しい握り方ですが、
運転経験のある方の中には、
手をハンドルの内側に入れて、鉄棒で言う“逆手”で握る人がいます。
これを「内掛け」と呼びます。


内掛けしているドライバーの多くは
「こうした方が力が入るから」と言い訳します。
なるほど、
ハンドルを外から押さえるのでは、頼りない感じがするのでしょう。


しかし!
現行の普通乗用車はその殆どが(教習車や試験車は例外なくすべてが)
パワーステアリングを搭載しているので、
ハンドルを回すのに、力は要りません。
それを力任せに回しては、ハンドルが不安定になるだけですよ。

また、内掛けハンドルでは、
どうしても握る場所を選んでしまいます。
そのため、
“道”を見てハンドルを回すべきところを、
“ハンドル”を見てハンドルを回してしまいがちです。

加えて、適切な分量を回せなかったり(意図的に回さなかったり)、
ハンドルの持ち替えに時間が掛かったり、
さらに、内掛けハンドルでは回せる分量が少ないため、
ハンドルをいっぱい回さなければならない場面では、
パタパタと忙しい持ち替えになります。


このように、内掛けハンドルは危険なばかりで良い事がありません。
もし、内掛けハンドルのクセが付いていたら、
言い訳せずに、すぐに直してください。


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進路変更前には、
合図(ウインカー)と周囲の安全確認が必須ですが、
その順番は、
「確認してから合図」でしょうか。
それとも、
「合図を出してから確認」が正しいのでしょうか。


これの教科書的な正解は、
「確認してから合図を出して、再び確認してから進路変更。」
ということになっています。

しかし、パイロットアカデミーでは、
基本的に「合図を出してから確認」(後者)で教えています。
その理由は以下2点によります。

まず、周囲の安全確認は、常に行っているという前提があるからです。
特に路上走行中は、
自分と周囲の状況に気を配りながら走っているはずです。
ミラーもちらちら見ているはずですから、
進路変更を始めようと思ってからわざわざ安全確認する必要はありません。

また、合図を出してから進路変更の動作に入るまでの3秒間が
手持ち無沙汰になってしまう、ということが、もう1つの理由です。
そして、「合図を出して確認してから進路変更」という順番にすれば、
3秒を経過しないうちに進路変更を始めてしまう心配もまずありませんし。


もちろん、合図を出す前に確認しても、構いません。
そして、現実の試験においては、
合図を出す前だろうと後だろうと、
とにかく、きちんと確認してさえいれば、特に順番は問われません。

とは言え、
決して「確認は1回で良い」と公式に認められているわけではないので、
やはり「確認・合図・再確認」が本当は正解であることを
頭に入れておいてください。


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ハンドルを回し始めるのに目標を使っている人もいると思います。
例えば「右折のハンドルは“ボンネットが直近マークを隠す寸前”」
といったような。


この方法は、あまり積極的にお勧めできるものではありませんが、
実は、パイロットアカデミーでも、
教習の初期段階で(または速成カリキュラムにおいて)
コツをつかんでもらうために、こういった目標を使って教えることがあります。

ただし、注意してほしいのは、
これはあくまでコツをつかむための暫定的な方法ですので、
教習が進んだ段階では、
車の動きをイメージしながらハンドルを回すようにしてください。


例示した「右折時のハンドル目標」は典型例で、
右折は、普通に走っている所から一気に減速して曲がる場合もあれば、
対向直進車が通過するのを待って速度ゼロから曲がり始める場合もあります。
いずれの場合も、直近マークのすぐ近くを通るのですから、
ハンドルは同じ所で回し始める理屈ではありますが、
スピードが速い場合は、
目標を早めに取らないとハンドルが遅れてしまいがちです。

車の動き(今現在の動き)を体感し、
これからどう動くのか(未来の動き)を予測して、
“ボンネットが直近マークを隠す寸前”という目標を、
状況に応じて自分なりに変更しなければなりません。


自動車の運転には臨機応変さが求められます。
目標を使っての運転を頭から否定はしませんが、
“一つ覚え”ではいけないことも、肝に銘じておいてください。


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左折を終えた時には、
ハンドルをまっすぐに戻した状態で、
これから自分が走るべき車線に向かっているはずです。
しかし、ハンドルを戻すのが遅れて、
車体は左に向かってしまうことがあります。


さて、こういう症状が出たときに、
「ハンドルを戻し遅れるのは切り過ぎが原因」だと思い込んで、
次の試行時にはハンドルを少なめに回す人がいますが、
それは全く逆。

ハンドルを戻し遅れるのは、
実は、「切り過ぎ」のためではなく、
ほとんどが「切り足りない」のが原因だったりします。

ハンドルが足りないものだから車が曲がって行かない、
車が曲がって行かないからハンドルをなかなか戻せない、
ハンドルを戻せないから左折が終わっても車体が左を向いたまま、
という図式なのです。


ハンドルの戻し遅れは、
「戻す」ことの問題でなく「切る」ことの問題であると認識して、
次の試行では、気持ち多めに回してみてください。


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嘘かと思うような本当の話ですが、
サンダルを履いて技能試験を受けようとする受験生がいます。
こう暑いとサンダルで出かけたくなるのも理解できますが、
サンダル履きでは受験できません。
鮫洲試験場なら近くのイオンにでも行って靴を買ってください。


では、サンダル履きでの運転はどうしていけないのでしょうか。
それは、3つの意味で危険だからです。

まず、サンダルは足から離れてブラブラするので、
ペダルを踏むにもその分だけ足を浮かさなければならなくなります。
足を動かす時間が余計に掛かったり、ペダルを踏む力が弱くなったりすることも問題ですが、
それよりも、
そんな事を意識しているためにドライバーの反応が遅くなることが一番危険です。

また、サンダルは脱げやすいので、
ペダルに引っ掛かったり、ペダルの下に入り込んでしまったりすることが考えられます。
これもまた、そうなるのを避けようとして動作が遅れる要因にもなりえます。

さらに、万が一、前の車に追突してしまった場合に、
サンダルではドライバーの足を保護しきれません。
靴を履くことでどれほど足の損傷を和らげる効果があるかは不明ですが、
あるいは気休め程度であったとしても、
そんな心配から、咄嗟のブレーキをためらうことがあってはいけないのです。


暑い時に少しでも涼しい恰好をするのは結構なことですが、
それにもTPOってものがあると思います。
「行き過ぎたクールビズ」や「クールビズの押し付け」にも、小生は抵抗があるくらいです。

車の運転は、やはり靴を履いてください。


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都内多くの小学校が昨日で1学期を終えて、
今日から夏休みに入りました。
学校が休みになると、道に子どもが増えるので、
路上を走る際には注意してください。

特に自転車。
そうでなくても自転車は転びやすい乗り物なのに、
急いでいるのか、それが楽しいのか、
立ち漕ぎなんかしているのを見ると、
危なっかしくてたまりません。

また、周囲を確認せずに突然道路に飛び出してくるのも
子どもの特徴です。
そんな特性を理解して、
車のほうが気を付けてあげなければなりません。


一方で、お年寄りにも注意が必要です。
子どもと違って、カンカン照りだと外へ出る人が少なくなるのは、
車を運転する側からすれば助かりますけど。

さて、お年寄りの多くは、
歩道橋は、階段があるので使いたがりませんね。
でも、だったら、もっとよく確認してから横断してくれれば良いのに、
なぜか(これは子どもと同じで)突然飛び出してきます。
本人としてはしっかり確認したつもりなんでしょうか。

また、なかなか渡り終わってくれないのも、年寄りの特徴です。
イライラせずに、
これまた車のほうが配慮してあげてください。


府中試験場の界隈は住宅街なので、
子どもや年寄りが多いのは理解できそうですが、
鮫洲試験場の界隈も、
意外に住宅があったりしますし、商業施設に家族連れが来たりします。
油断しないでください。


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直進バックの際は、
ハンドルのてっぺんを片手で持って、
後ろを見ながら進んでください。

さて、この「後ろを見ながら」には、2通りの方法があります。
1つは、運転席の窓を開けて顔を出して後ろを見る(ハンドルは左手で持つ)、
2つめは、左から振り返るように後ろを見る(ハンドルは右手で持つ)、
というものです。

これについては、どちらも正解とされていますが、
パイロットアカデミーでは、後者をお奨めしています。


窓から顔を出してのバック(右から振り返る)は、
ラインとの位置関係を見ながらハンドルを微調整するには有効ですが、
視野が狭くなり、しかも、“真後ろ”が見えていないという危険があります。

教習や試験における直進バックは、
「方向変換」で車庫奥に向かってまっすぐ入って行く
(幅寄せしてから再び奥に向かうケースも含む)
のが典型ですが、
狭路での「切り返し」の際にも使います。
ただ、これらいずれも、「ラインに沿ってバック」ではないので、
右から振り返ることのメリットは薄れてしまいます。


一方、左から後ろを振り返るのは、
真後ろの状況を確認する意味を兼ね、
また、「自分が進む方を見る」という運転の基本を外さない、
という、心構え的な意味もあります。


まあ、前述の通り、どちらも正解なので、
特に運転経験のある方は、無理に矯正するまでもないですが。


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MT(マニュアル)車で運転中、
ギアを変えずに速度を落としていくと、
車体がガタガタ振動してくることがあります。
そういう状態になったら、クラッチを切りましょう。


さて、問題はその後です。

そのまま停止するならクラッチは切ったままで良いですが、
加速に転じる場合や徐行を維持する場合には、
クラッチ操作はどのようにすれば良いでしょうか。


まず、加速に転じる場合は、
再びクラッチをつないでアクセルを踏んでいきます。
ただ、ギアは「その時の速度に適したギアを選ぶ」が基本ですから、
概ね10~20km/hでセカンド(2速)、
概ね20~30km/hでサード(3速)にします。
もちろん速度によっては、
ギアチェンジせずにクラッチを再接続するというときもあります。


次に、徐行を維持する場合は、
半クラッチと断続クラッチを上手に使いましょう。
クラッチをゆっくりつなげていって、
ある程度の速度が出たらクラッチを切る、
というのを繰り返します。
必要があればアクセルを少しだけ踏みます。
ギアは、やはり「その時の速度に適したギアを選ぶ」ので、
いわゆる徐行(概ね10㎞/h程度)ならセカンド(2速)、
人が歩く程度(概ね5km/h程度)ならロー(1速)が普通です。

狭路コース(クランク・S字)では、
ハンドルの取り回しだけでなく、
このようなクラッチを使った速度調節技能も練習しましょう。


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ハンドルを目いっぱい回す場面
(所内コースでの左折やクランクコース内のコーナー等)で、
右利きの人は右手ばかりでいっぱい回そうとしてしまうことが、
よくあります。
おそらく「ハンドルを速く回そう」と意識したのでしょうが、
左手を上手に使えていないと、
ハンドルが思うように手につかなくて、
却ってハンドルを回すのが遅くなってしまいますよ。


ハンドルの持ち替えは、
「両手で」・「交互に」が基本でしたね。
この基本を守って持ち替えることで、
ハンドルは止まらずにグルグル回りますから、
結果として、早く回すことができます。

「速く回す」ではなく「早く回す」を心がけて、
正しい持ち替えで、ハンドルを回してみてください。


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スピードが出てしまうのが怖いのでしょうか、
教習を始めたばかりの人のほとんどに、
アクセルをしっかり踏めない、という症状が見られます。


でも、
スピードが出すぎるほどアクセルを踏むのは、
既に免許を持っている一般ドライバーにも至難の業です。
まして教習生には、多分、無理でしょう。

ですから、特に教習を始めたばかりのころは、
力強くアクセルを踏むことを意識してみてください。
これから走ろうとする道を見てアクセルを踏む(「前見て加速!」)
ようにすれば、そんなには怖くないはずです。

もしも、万が一(あまり例の無い話ですが)、
実際、スピードが出すぎてしまったなら、
次の試行では、少しアクセルを弱めてみれば良いじゃないですか。
そうやって体で覚えれば、上達も早いですよ。


教習車では、
助手席で指導員がブレーキを踏むことはできますが、
アクセルを踏むことはできません。
ドライバー本人がアクセルペダルを踏むしかないのですから、
とにかく、アクセルを踏んでみてください。


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昔のアニメ『天才バカボン』の主題歌は6番まであって、
カラオケで歌うと、疲れるし、飽きます。(歌ったことがあるんかい!)


さて、その5番に、
「赤でスタート、黄でダッシュ。それで事故なのだ」
という歌詞があります。

1番「西から昇ったお日さまが‥」、
2番「柳の枝に猫がいる‥」、
3番「4たす4はロクでもない‥」、
4番「崖から落ちてケガをした‥」、
と、他はナンセンスな歌詞が続くのに、
ここだけ現実を言い得ていて、違和感を持ちました。

実際の路上で、赤信号のうちに見切り発車する車や、
黄色に変わっても無理して突っ込んでくる車の多い事。
そりゃ、事故になりますって。(キャーアブナイ!)


おそらく作詞者(調べてみたら「東京ムービー企画」だそうです)は
この部分もナンセンスなつもりで書いたのでしょうが、
教訓的あるいはシニカルに聞こえてしまいますね。

もっとも、その後で「これでいいのだ。」と言っているので、
それがナンセンスなのでしょうけど。


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ン十年も昔の話ですが、
学生時代の友人が卒業までに運転免許を取らなかったことの言い訳に、
「車の運転って、“鉄の棒”を横向きに持って歩くようなもので、危ないから」
と言っていました。
当時の小生も、
免許は持っていましたが、「うまい事を言うなぁ」と感心したものです。


でも、今だったら、少し違った感想を持つと思います。

ドライバーの感覚としては、
「鉄の棒を持って歩く」というよりも、
「傘を差して歩く」に近いんじゃないでしょうか。
つまり、
傘を差して歩く時には、電柱をよけて通るために傘を傾けたり、
向こうから来る人と上手にすれ違ったり、場合によって譲り合ったり、
そういうことを、皆さん、自然にしていますよね。
それは、傘の大きさが感覚的に解っていて、
傘の取り回しも自由にできるからなのです。

車の運転だって、
“車両感覚”をつかみ、「どう操作すればどう動くのか」が解れば、
免許を持っていない人が思うほどには難しくありません。

まあ、言うほど簡単ではないところに皆さん苦労してるんですけど、
早くその域に達するように練習しましょう。


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右左折は、徐行で曲がってください。
カーブでは、そのカーブに適した速度で曲がってください。

つまり、カーブでは必ずしも徐行で通過するとは限らないのです。
と言うよりも、
カーブで徐行(概ね10km/h以下)まで減速するのは、
通常は落とし過ぎです。

もしかしたら、
教習の初期段階でコースをゆっくり周回していたために、
「減速=徐行」と思い込んでしまった人もいるかも知れませんが、
「減速」と「徐行」とは別物ですよ。

右左折であれ、カーブであれ、
「ハンドルを回すのにふさわしい速度まで減速しておく」という基本があって、
それが右左折においては「徐行」だというだけのこと、と理解してください。


ついでに言うと、
MT(マニュアル)車では、速度を落とした後に、
「その速度に適したギアを選択する」という操作も必要になります。
それが「右左折はセカンド(2速)で曲がる」と言われることの意味です。
「右左折はセカンドだから徐行」なのではないですよ。
誤解のないようにしておきましょう。


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発進の合図は、右ウインカーを出します。
これは、言うまでもないでしょう。

ところが、試験官から
「発進してすぐに左折してください」と案内されると、
右ウインカーを出すべきか、左ウインカーを出すべきか、
迷ってしまう受験生がいますね。


でも、
そんなに難しく考えるまでもありません。
発進の合図は「右」なのですから、
まず、右ウインカーを出しましょう。
そして、車が動き始めたら、
「左折のための左ウインカー」に切り替えればよいのです。

それから、車の向かう向きについては、
停車していた時は、車は道路左端に寄っていたはず(※)ですから、
すぐに左折するなら、発進した後も、寄ったまま進行するだけです。
発進の合図で「右ウインカー」を出したからと言って、
右にハンドルを取らなければいけないわけではありません。

※一方通行路では道の右側に駐停車することもありますが、
  技能試験および技能教習では考える必要がありません。


実際、路線バスがバス停を発進して直後に左折する時、
まさに、こういう合図と動作をやっていますよ。
そんなことにも注意しながら、
路上で、一般の車の動きを観察してみましょう。


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車に乗り込むと、試験官から、
「発進準備が整ったら知らせてください。」
と言われることがあります。


これを聞いて、
「発進準備」を「発進」の指示だと思い込んで、
すぐに動き出してしまう人がいますね。
かと思えば、
「発進準備」という言葉自体が分からずに
ポカンとしてしまう受験生もいるようですね。

また、多いのが、
シートを調整して、シートベルトを締めて、ミラーを合わせて、
(ここまでは正しい)
その状態で試験官の次の指示を待つ、という人。
でも、それだと、試験官から「じゃ発進して。」と言われた時に、
すぐに発進できませんよ。(=“発進準備”が整っていない)


「発進準備」とは、文字通り、
「発進できるように準備する」ということです。
つまり、エンジンを掛けて、
ギアを1速(ATならDレンジ)に入れて、
サイドブレーキを解除した状態を作っておくのです。
この時、右足はフットブレーキを踏んでいます。

言ってみれば、
赤信号が青に変わるのを待っている態勢。
この状態で、試験官に
「発進準備が出来ました。」と報告してください。

そして、試験官から発進の指示があったら、
概ね3秒以内に発進しましょう。


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ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は、
急ブレーキを踏んでもタイヤがロックしないようにする仕組みで、
現行のほぼ(小生の知る限り)すべての国産乗用車に標準装備されています。

ABSを搭載していない(昔の)車では、
急ブレーキでタイヤがロックしてしまったら、
ドライバーは、足の力を少し緩めてロックを外し、
それから再びブレーキペダルを踏み込む、という動作を繰り返していました。
言ってみれば、それを機械で自動的に行うのがABSというわけです。

タイヤがロックした状態の危険性(“怖さ”と言うべきでしょうか)は、
実際に体験してもらうのが一番良いのですが、
残念ながら(?)
パイロットアカデミーの教習車もすべてABSを搭載しているので、
口頭で説明するしかありません。


さて、ABSによって車を安全に停めることができるようになったことは
喜ばしいのですが、
どうもこれを勘違いして、
「ABSだと急ブレーキが掛けられる」と曲解しているドライバーが多いですね。
しかも、それに輪を掛けて、
「ABSだから車間を詰めて走っても大丈夫」と思い込んでいる人までいます。

ABSを装備しているからと言って、
別にブレーキの効きが良くなるわけではないのです。
むしろ、熟練ドライバーがABS無しで(前述の方法で)ブレーキを掛けるよりも
停止するまでの距離は長くなります。

こういったABSの性能を正しく認識して、
慢心せずに、充分な車間距離を保って走ってください。


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特段の理由なく期限内に免許を更新せず失効した場合
(「うっかり失効」と呼ばれます)
半年以内に気が付けば、復活できますので、至急手続きしてください。
また、失効してから半年を過ぎて1年以内であれば、
「仮免許」が復活できます。


さて、仮免許だけ復活できた方は、
A)指定教習所(俗に「公認自動車学校」と呼ばれる)に第2段階から入校して卒業する、
B)運転免許試験場(免許センター)で学科試験・技能試験を受ける(「一発試験」・「一発免許」・「一般受験」などと呼ばれる)、
の2通りの方法により、本免許にすることができます。


「海外で免許を取得して来て、日本の免許に切り替える」(これは仮免許が無くても可能)
という方法も、有るには有ります。
しかし、この方法を悪用する人が多発したせいか、
今では「現地に3ヶ月滞在していたこと」が切り替えの要件に加わりましたので、
結局、教習所に通う以上の費用と時間を要します。


選択肢A(指定教習所に第2段階から入校)については、
第1段階(仮免前の単位)は不要とは言え、そこそこの費用と時間が掛かりますし、
若い人たちと机を並べて勉強しなければならない(“ディスカッション”もやらされます)ことも含め、
今さら教習所に通うのに抵抗の有る方も多いと思います。


そう考えると、
選択肢B(一発試験)が、最善の方法と言えるでしょう。

しかし!
一発試験は、練習もせずに受験したのでは、絶対に合格できません。「絶対に」です。
どんなに上手に運転できる人でも、受験前の練習はやはり必須でしょう。
ましてや、わりと日ごろ運転していなかった人が免許を失効しがちですので、
そういう人は特に、専門家の指導を受けながら練習しなければ不合格を繰り返すばかりでしょう。

少しおどしてしまいましたが、恐れることはありません。
一度は免許を取った人なのですから、
きちんと練習して臨めば、必ず合格できます。これも「必ず」です。
でも、その「きちんと練習」という辺りが大変は大変なのですけどね。
(またおどしてしまいました…)


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交差点に入ったら、
とにかく速やかに出てください。
信号が変わろうが、関係ありません。
いったん交差点に入った以上は、
もう信号は見なくてよいです。

そのような意識をもって、
信号は、
交差点に入る前にしっかり確認しておきましょう。


似たような話で、
「交差点の30m手前からは信号を見ない」
なんてことを言う人もいます。
たしかに、青信号が黄色に変わった時に、
交差点の30m以内まで近づいていたら、
無理に停まろうとすると却って危険な場合すらあるので、
それを踏まえての発言なのだと思います。

なるほど、
「交差点の30m手前まで近づいたら、信号が変わってもそのまま通過する」
というのは、一応の目安には出来そうですが、
でも、「信号を見ない」というのは、ちょっと乱暴すぎかも知れませんね。
「信号を気にしなくても良い」ぐらいにしておきましょうか。


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当ブログでも、通常の技能教習でも、
「横断歩道」と言ったら、
通常は、「信号の付いていない横断歩道」を指します。
なぜかと言うと、「信号の付いている横断歩道」(※)は、
信号に従って走行すれば良いだけなので、
特に「横断歩道」とは認識せずに通行して特段の問題は無いからです。

※)正しくは「信号の付いている交差点に描かれている横断歩道」と呼ぶべきでしょうが、
長ったらしいので、本稿では「信号の付いている横断歩道」と書きます。


ところが、路上を走っていると、
「信号の付いている横断歩道」のように見えて、
実は「信号の付いていない(普通の)横断歩道」だった、
という箇所もあります。

府中の路上試験コースで言うと、
小金井街道を北上して新小金井街道との交差点の少し手前に、
そんな横断歩道があります。
あそこは、その先の信号付き交差点からは独立した「(普通の)横断歩道」です。
先の交差点の赤信号を見て、必要が無いのに横断歩道で停止してしまったり、
逆に、先の交差点の信号が青だからと言って横断者がいるのに通過してしまったり、
という受験生がいますね。
くれぐれも油断しないように気を付けて走ってください。


ちなみに、路面に菱形マークが2つ続いて描かれていると、
「この先に横断歩道あり」という意味です。
この場合の「横断歩道」とは、
「信号の付いていない横断歩道」であるのが一般的です。

しかし、これにも例外があって(例外と呼ぶには数が多いですが)、
菱形マークが無い(消えてしまった?)所もありますし、
信号(その多くは押ボタン信号)が新たに設置されたのか、
「信号の付いている横断歩道」の手前に菱形マークが現れることもありますので、
それだけを頼りに判断するのは危険ですよ。
ご注意を。


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教習生の中には、
「下り坂は徐行しなければいけない」と思い込んでいる人もいますが、
そんなことはありませんよ。


教本の表現に問題があるのかも知れませんが、
たしかに、所内コースの急坂路くらいの勾配であれば、
徐行が必要でしょう。

でも、路上では、そんな急勾配の坂は、
少なくとも東京(府中・鮫洲)の試験コースには…

「ありません」と書こうとして、1ヵ所あるのを思い出しました。

府中の多磨霊園裏手の山道を下るコースがそれです。
でも、そこは、左カーブ・右カーブと九十九折になっているので、
言われずとも心理的にスピードは出しにくいはずです。

それ以外は、府中にも鮫洲にも、急勾配の坂道はありません。


鮫洲コースに複数ある太鼓橋でも、
「スピードが乗ってしまわないように注意する」程度で、
「徐行」まで求められるほどではありません。
それどころか、必要以上に減速すると、
「円滑な交通の妨げ」になってしまいますので、
“普通の速度”で通過するようにしましょう。

イメージとしては、
「登るのと同じくらいの速度で下る」という感覚で良いところです。


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障害物を越えるために右に進路変更する前には、
右ウインカーを出し、
障害物を越え終わって元の車線に戻る際に、
左ウインカーを出します。
たまに、
この左ウインカーを出さない人(特に過去に運転経験のあった人)もいますが、
元の車線に戻るのだって“進路変更”なのですから、
合図は必要ですよ。


さて、この左ウインカーのタイミングは、
普通車1台分ぐらいの障害物だったら、
はみ出したらすぐにウインカーを左に切り替えれば
ちょうど良いはずですが、
路上駐車が連続しているような場面では、
合図を出すのが遅れがちになることが多いようです。

連続路駐を避けて車線をはみ出し(または右車線に移り)
まっすぐ走っている間は、ウインカーは消します。
そして、
障害物が無くなり自分が元の車線に戻れるようになったら、
その3秒前に(3秒“前”というのがポイント)左ウインカーを出します。
これが、障害物が無くなってからウインカーを点けたのでは、
そこから3秒間は進路変更できない(その間も車は走り続けている)ため、
結果、障害物をはるかに通り過ぎてしまうのです。

なので、
障害物を通過し終わる前に左ウインカーを出し始めることを意識して、
路駐の状況を見ながら走りましょう。


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複数の通行帯がある道路において車線変更の必要が生じた時、
「右隣の車がサイドミラーに映っていた」という理由(だけ)で
車線変更を始めない人が、少なからずいます。

しかし、それは、「安全」のためには良い事ですが、
「円滑な交通」を阻害しかねないので、注意してください。

右車線を走る車がサイドミラーに映っていた場合でも、
実は、車線変更できるケースがあるからです。

無論、相手車の速度(※)にもよる話ですが、
むしろ、ミラーに映らない所(ミラーの死角)にいる車や
ミラーに収まりきらないほど大きく映っている車(すぐ近くにいる車)こそが危ないのであって、
「映っている」と表現されるなら、
おそらくは、ミラーの中に相手の車体全部が映っているのでしょうから、
自車とはある程度の距離を空けて走っていることが想像できます。
ですから、各通行帯が整然と等速で流れている状態なら、
自分が加速して、その車線に入って行けることも珍しくありません。

(※)厳密に言えば、
「相手車が、“自車との相対”で見て、“加速”しているのか“減速”しているのか」
を読むべきなのですが、
話が難しくなってしまう(それだけで一つのブログ記事が書ける)ので、
ここでは「相手車の速度」とだけ書いておきます。


なお、これは自分も速度を変えずに巡航していた場合の話であって、
自分が急減速した場合や、停止している状態から発進しようとしている場合には
当てはまらないので、ご注意ください。

そういったことも、
路上教習でいろんな場面に遭遇していくうちに、
そして、成功と失敗を積み重ねながら、習得していきましょう。


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