ガソリンなどの計量に用いる「リットル」という単位に関して、
最近はその扱いが変わってきているということを
つい最近知って、驚きました。


まず単位の表記方法について。

今は筆記体の「ℓ(U+2113)」ではなく、
活字体大文字の「L」で表記するのが標準なのだそうです。
改めてガソリンスタンドの領収証を見てみると、
どこのスタンドも例外なく、また、ガソリンもオイルも、
確かに「L」で表記されています。

では、飲料のペットボトルにはどう書かれているかと見れば、
「リットル」は「L」ですが、「ミリリットル」は「ml」と、
大文字を使うか小文字を使うかが揺れているようです。
いや、「揺れ」というより、
長さの「m」や重さの「g」で分かる通り、
本来、単位(人名に由来しないもの)は小文字で書くべきところ、
接頭辞(ミリ等)の付かない「l」では数字の「1」と紛らわしいため、
ただの「リットル」は大文字を使っているものと思われます。

ちなみに、学校教育においては、
2009年6月の小学校学習指導要領解説では、小文字の「l」が用いられていたが、
2011年の教科書検定から、大文字の「L」を使用するように検定意見が付いた(wikipediaより抜粋)
とのことです。
筆記体の「ℓ(U+2113)」なんか書いていると(小生もそう書くように教わった世代なのですが)、
今の子どもたちに笑われてしまうかも知れませんよ。


それと、もう1つ驚いたのは、
「容積」という用語が公の場では認められていないということ。

対象が液体や気体の場合は「容積」と呼ぶべきものと思い込んでいましたが、
学術的には、すべて、固体と同じに「体積」と呼ぶのだそうです。
そして、体積なのですから、
その単位は「立方メートル(m3)」であって、
「リットル」に等しいのは「立方デシメートル(dm3)」とのこと。
こんな単位、初めて聞きましたよ。

ついでに言うと、
「立方センチメートル」は、「cc」(cubic centimetre)ではなく、
「cm3」を使うことが望ましいとされているようです。
こちらは、理解できます。
…と思ったら、
道路交通法や道路運送車両法では
車の排気量を「cc」で表していますね。
法律(おそらく官僚が作成したもの)なのに何だかなあという気分です。


話は変わって、
「リットル」を英語流に「リッター」と言う人が多いですね。
この言い方は、正しいか正しくないかと問われると多分正しくないのですが、
長さの「メートル」を「メーター」と言ったりするのと同じで、
“誤用”というより“慣用”と呼ぶべきでしょう。
その英語でだって、
イギリスは「litre」・「metre」、アメリカは「liter」・「meter」と、
綴りが異なるくらいですから。


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